林光洋ゼミが今年も多くの訪問授業・模擬授業を行いました

ゼミ活動

経済学部およびFLP国際協力プログラム林光洋ゼミの学生たちが、2025年度も恒例の訪問授業・模擬授業を実施しました。本年度は、新たに「夏の先生図鑑」という講座で教員の林とともに、高校生たちに向けて模擬授業を行いました。

附属4校への訪問授業

例年通り、経済学部およびFLP国際協力プログラム林光洋ゼミの4年生を中心にした学生たちが、10月9日(木)と16日(木)に中央大学高等学校(中大高校)へ、10月17日(金)に中央大学附属横浜中学校・高等学校(中大横浜)へ、10月24日(金)に中央大学杉並高等学校(中大杉並)へ、そして10月29日(水)に中央大学附属中学校・高等学校(中大附属)へお邪魔し、訪問授業を行いました。

林ゼミの学生たちは、「ストリートチルドレンから学ぶ途上国の貧困問題」というテーマを設定して、附属高校向けの一連の訪問授業に臨みました。この「ストリートチルドレン」は、4年生の中の1つのチームが、フィリピン現地調査を含む研究プロジェクトで前年度に取り組んだテーマで、そこで学んだことを訪問授業に活用していました。

中大高校では、同校の1年生全員を対象にして、50分間ずつの授業を2週に分けて行いました。1日目は約160人の生徒全員が集まった会場で、2日目は4教室に分かれ、各教室で6~8人ずつのグループを作って授業をしました。

高校1年生全員に向けての講義(中大高校1日目)
グループワークの成果発表(中大高校2日目)

 

中大横浜では、5人の高校生を対象にして、60分間の授業を行いました。この5人は、翌週から海外での修学旅行を控える中、それでも希望して集まってくれました。

グループワーク終了後、林ゼミの学生からのコメント(中大横浜)

 

探究授業でも関係のある中大杉並での訪問授業は、放課後の100分間を使って実施されました。インフルエンザが流行している中でしたが、この訪問授業を希望する、学年の異なった20人前後の生徒が集まり、導入部分から、グループワーク、そしてその結果の発表まですべて滞りなく進みました。中大杉並出身の林ゼミの学生は、母校に少しでも役に立ちたいという熱い思いで授業に臨んでいたように見えました。

グループで議論の結果を発表(中大杉並)
発表後の振り返り(中大杉並)

 

中大附属からは、毎年、2年生を対象にした高大連携プログラム(ステップ講座)の1つとして授業の機会をもらっています。参加者が今回は80人超と多い一方、授業時間が60分と短く、授業実施の難易度が高かったように見えました。この中大附属で、林ゼミの2025年度の訪問授業は終了となりました。

ストリートチルドレンについての講義(中大附属)
生徒の議論をファシリテートする林ゼミの4年生(中大附属)

 

どの高校向けの訪問授業でも、基本的には、ゼミの紹介、国際協力の説明、ストリートチルドレンについてのクイズを交えた導入、事前課題に対応してくれた高校にはそのフィードバックといった内容の講義形式で始まり、その後、生徒たちにグループを組んでもらい、ストリートチルドレンに関する設定された課題について議論し、付箋に自分たちの解決策を書き込んで模造紙に貼り付け、結果を発表してもらうという流れで構成されていました。
授業の中心は、高校生たちにグループワークで議論してアイデアを出してもらい、それを自分たちの言葉で発表してもらう部分で、アクティブラーニングのスタイルをとって、途上国の問題に関心をもってもらったり、学びの楽しさを感じてもらったりすることを目指していたそうです。

林ゼミの学生は、高校生の発表に対して感想を述べたり、自分たちが考えるストリートチルドレン問題の解決策を紹介したりしながら授業をまとめていました。さらに、その後、交流タイムを設け、大学での学びや活動、大学生の日々の生活などに関する高校生からの質問を受け、林ゼミの学生が丁寧に、具体的に回答して授業を終えていました。

高校によって授業時間や参加人数が異なっていたので、4校それぞれの状況に応じて授業の構成や時間配分を調整するのが難しかったそうです。附属4校の訪問授業を終えて、林ゼミの学生たちは「貴重な経験をすることができた」、「教えに行ったけれど、自分たちが学ぶべきことのほうが多かった」といった感想を述べていました。

浦和学院高等学校向け模擬授業

2025年度の前期、7月19日(土)に浦和学院高等学校の生徒の皆さんが多摩キャンパスの見学に訪れました。昨年までと同様に、経済学部およびFLP国際協力プログラムの林光洋ゼミ4年生が出迎え、キャンパスツアーと模擬授業を行いました。

酷暑のため、冷房の効いたフォレストゲートウェイ館(学部共通棟)内に集合し、7号館(経済学部棟)までの道すがら、少人数のグループに分かれてキャンパスツアーが行われました。林ゼミの学生が先導して図書館の中も見学し、そのスケールの大きさに驚く生徒もいました。

キャンパスツアーの様子

7号館で行われた模擬授業は経済学部およびFLP国際協力プログラムのゼミ活動を体感してもらうというものでした。冒頭で経済学部教授 林光洋から、ゼミナールとはどのような学びの場なのかについての紹介があり、その後を受けてゼミ生が林ゼミの特徴やその活動内容を紹介しました。

林ゼミの4年生たちによる授業

その後、ゼミ学生たちは、昨年度フィリピンで実施した現地調査にもとづいて、ストリートチルドレンに関する講義を行いました。その講義を参考にしてもらいながら、浦和学院の高校生たちには、「フィリピンのストレートチルドレン問題を解決するために、フィリピン側と先進国(日本)側それぞれができること、すべきことを考えよう」という課題が与えられ、グループワークの時間となりました。

高校生たちのチームに林ゼミのメンバーがファシリテーターとして加わってディスカッションが始まりました。動画を事前学習として生徒たちに視聴してもらっていたので、どのチームも積極的に多くの意見を出し合い、模造紙はさまざまなアイデアが書き込まれた付箋でいっぱいになりました。すべてのチームがそれぞれの考えを短時間にまとめ、発表しました。

グループワークの様子

最後に、入試制度や経済学部の学科再編について事務職員からの説明があり、浦和学院の生徒たちはパンフレットなどを見ながら真剣に聞いていました。また大学生に気になることを質問する姿も見受けられました。

「夏の先生図鑑」講座で模擬授業

2025年7月24日、経済学部教授 林光洋と経済学部およびFLP国際協力プログラムの林ゼミ4年生が「2025年 夏の先生図鑑」講座を開催しました。このプログラムに参加するために、5つの高校から、夏休みを迎えたばかりの50人前後の高校生たちが多摩キャンパスのフォレストゲートウェイ館(学部共通棟)に集まりました。

「途上国の子どもの貧困『ストリートチルドレン』について考えてみよう」と題した講座は、林のSDGsと途上国の子どもの貧困についての説明から始まりました。その後、経済学部およびFLP国際協力プログラムの林ゼミ4年生にバトンタッチされました。

バトンを受けた林ゼミの学生たちは、まず、ゼミナールという授業形態を知らない高校生たちに対して、自らの希望する分野を専門とする教員のもとで、その分野の学修・研究活動を少人数のグループで主体的に行うクラスのようなものであると説明しました。そのうえで、林ゼミの特徴やその活動内容について紹介をしました。

続いて、林ゼミの学生から、1年前に実施した現地調査の結果にもとづいて「フィリピンのストリートチルドレンの現状」について簡潔な解説がありました。高校生たちは、林と林ゼミの学生が準備したミッション動画を事前に視聴しており、SDGsという文脈でストリートチルドレンの課題や原因について考えたうえで、この「夏の先生図鑑」講座に参加していました。この日は、「ストリートチルドレンが路上での貧しい生活から抜け出すために、誰が何をすべきか?」という問いに回答するのが課題になりました。

高校生たちは5~7人のグループに分かれ、フィリピン国内外の主体が、それぞれ何をするべきか、何ができるのかについてのアイデアを付箋に書き出していきました。各グループに林ゼミ生がファシリテーター役として入り、議論の整理を手伝いました。

高校生たちにストリートチルドレンの実態を説明する林ゼミの学生

各グループの模造紙には多くの付箋が貼られていきました。概ねまとまったところで、それぞれのグループが前に立ち、模造紙に貼った付箋を指さしながら、自分たちの班で出た意見を発表しました。知らない人の前で発表することに戸惑いを見せる生徒、堂々と話すことのできる生徒とさまざまでしたが、そうした経験も含め、100分間という限られた時間ながら少人数によるグループ活動の面白さが伝わったようでした。

講座の終わりに林ゼミの学生から具体的な大学生活についての話があり、高校生たちはリラックスした様子で聞いていました。

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