武田ゼミ19期による釜山教育大学とのオンライン研究交流プログラムレポート

ゼミ活動

こんにちは、武田ゼミ19期の藪田です。

今年度、武田ゼミでは9月に実施した韓国でのGFS(グローカル・フィールド・スタディーズ。武田ゼミは、この経済学部の制度を利用して、毎年9月、韓国で1週間、釜山教育大学との交流会や実態調査を実施しています)に続き、釜山教育大学との OREP(オレプ:Online Research Exchange Program) を実施しました。今年は、11月に3回にわたって開催され、日韓の学生が終始すべて英語で発表内容を共有し、互いにコメントを交わしました。

この記事では、その様子や筆者自身が得られた学びや感想をお伝えしたいと思います。

グローカル・フィールド・スタディーズ(GFS)とは
ゼミによる国内および海外における実態調査・研修活動をさらに充実・発展させるためのプログラム。世界で起こっている様々な経済問題を解決するために、現場で考え、現場で行動することができる人材が求められている中、経済学部の多くのゼミが、活動の一環として国内・海外問わず実地調査に赴き、研究活動を行っています。

OREPの概要

OREPは、GFSで築いた釜山教育大学の学生とのつながりを一度きりで終わらせず、日韓の学生が継続的に意見交換できる場をつくることで、より深い相互理解と関係性を育てることを目的とした取り組みです。
日韓の学生が、共通テーマに沿った内容を発表し、意見を交わし合う、1回あたり約60分、両校がそれぞれ30分ずつ発表を担当するもので、すべて英語で行われるオンライン交流プログラムです。

OREPの様子

今年度の共通テーマ:AI

今年度の共通テーマは AI(人工知能)。各回で取り上げられたテーマは以下の6つでした。

【釜山教育大学側】

  • AI as the Core of Classroom Innovation
  • How to reduce “the Educational Gap” by Using AI
  • AI Use in Korean Education

【中央大学側】

  • How Should Japanese Students Use AI to Improve Their English Skills?
  • Can the Human Eyes Recognize Deepfakes?
  • How to Protect Students’ Future Jobs from AI

いずれの発表も、教育・学習支援・情報リテラシー・雇用など、AIが社会に与える影響を多方面から議論する内容で、日韓それぞれの違いが表れていました。

参加して学んだこと

私は今回、韓国側の発表に対してコメントを行うコメンテーターを担当しました。相手の発表内容を要約したうえでコメントを作成する必要がありましたが、普段のゼミで教科書の内容を要約する練習を重ねていたこともあり、その経験が大いに役立ったと感じています。

また、GFSでは、チームでの発表だったので、その準備段階では、チームで意見を出し合いながらのスライド作成でしたが、今回は一人で準備をする必要があり、不安もありました。それでも、「1スライド1メッセージ」や「論理の飛躍をしない」といった基本を意識し、釜山教育大学の学生にも伝わりやすい内容になるよう工夫しながらコメントを作成しました。結果として、自分なりに納得のいく発表ができたと感じています。

質疑応答の様子

同期の発表担当者にも学んだことや感じたことを聞いたところ、次のように振り返ってくれました。

「韓国側の発表を通して、韓国でのAIの活用事例や取り組みについて学ぶことができました。特に、教育現場へのAI導入に対する姿勢が日本とは異なり、ツールとして前向きに活用しようとする姿勢が印象的でした。この違いに触れたことで、同じテーマでも国ごとに捉え方が異なることを実感するとともに、AIのメリットやデメリットを踏まえて利用していくことの重要性を改めて感じました。
また、スライドを作る際には、要点を簡潔に伝えることや、強調したい部分を視覚的に示す工夫など、全体としてわかりやすいスライド作りにGFSの経験が大きく活きたと感じています。」

国ごとの違いを知れただけでなく、そうした違いを踏まえて議論できた点にも意味がありました。そして何より、発表準備を通して、これまでGFSやゼミで積み重ねてきた経験が自然と活かされていることに気づけました。要約する力、論理の流れを整える習慣、相手に伝わる構成を意識する姿勢など、日頃の取り組みがそのまま今回の発表につながったと感じています。

また、発表内容だけでなく、OREP全体の雰囲気もとても印象的でした。お互いが真剣に相手の話を聞き、丁寧に向き合いながら議論を深める姿勢が強く感じられました。9月以来のコミュニケーションで最初はやや緊張もありましたが、回の終わりには自然と手を振り合ったり笑い合ったりする場面もあり、温かい交流の空気が生まれていました。画面越しであっても、日韓の学生が互いを尊重しようとする雰囲気が伝わってきて、このプログラムの意義を実感しました。

第3回の終了時、手を振り交流を終える様子

最後に

OREPは単なるオンラインでの発表会ではなく、異なる教育文化のなかで学ぶ学生同士が、継続的に思考を共有し合う貴重な場となったと感じています。このような貴重な機会を設けてくださった釜山教育大学の金先生、武田先生に心より感謝いたします。

また、GFSの活動については別の記事で詳しく紹介していますので、興味を持っていただけた方はぜひそちらもご覧ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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