「難しいことをわかりやすく伝える」ことこそ教育!庵谷(おおたに)先生へインタビュー

中大経済の先生

会計学がご専門の庵谷(おおたに)治男 先生にインタビューを受けていただきました。

先生の専門分野を教えてください。

私の専門分野は「管理会計」(経営と会計)です。具体的には「アメーバ経営」を主に研究対象としています。
アメーバは勝手に分裂したり、他の個体と個体がくっついたりします。それになぞらえて、アメーバ経営というのは組織を小さい単位にしたり大きい単位(グループ)にしたり、そうしたグループごとに経営していく手法のことを言います。

作ったのはあのau(KDDI)を生んだ京セラの稲盛氏。つまり、アメーバ経営は海外から輸入されている経営や会計の仕組みと違い、日本生まれの経営管理システムということになります。

そうした専門分野に、興味を持ったきっかけは何だったのでしょう?

先ほど述べたようにアメーバ経営は日本生まれのマネジメントの仕組みで、その研究に興味を持った理由は、「日本のものを外に発信することができたらおもしろい!」と感じたことです。
また、研究テーマを探していた時に、たまたま当時の指導教員から興味深い話があると聞き、それがホテル経営にアメーバ経営を用いているというものでした。アメーバ経営を提唱した京セラは製造業ですが、それを非製造業(サービス業)であるホテルに導入するとどうなるのか。驚いたことにそのホテルに親戚が勤めていたというご縁もあって、さまざまなインタビューをさせてもらって、このテーマで本も書かせていただきました。

そもそも「会計」に興味を持ったのは、大学1年生の時に必修の授業で習った簿記が楽しかったからです。最初はマーケティングを学ぶつもりで、それも「なんかキラキラしててかっこいいかな」というくらいの気持ちでいたのですが、気がつけばマーケティングのことを忘れて図書館に1日8時間もこもって会計の勉強をしていました。

庵谷先生にとって研究者とはなんですか?

研究者になろうと決めてから、理想の研究者とは何かと悩んだ時期があったのですが、ある先生が「難しいことを簡単に言うこと」ではないかとアドバイスしてくださり、その言葉を今でも大切にしています。何かの学会後の会食の場だったかで、いつだったかはもう忘れてしまいましたが・・・。
自身のゼミでも 「翻訳」(抽象的な難しいことを具体的なわかりやすいことに置き換える)を大事にしています。

これまでで一番大変だった時期はいつですか?

博士論文を書いていた時ですね。
大学院生の時に書く人が多いですが、私は大学院を出て就職してから書きました。博士論文というのは指導教員にも非常に負担をかけるものでして、そのときすでに長崎大学に着任していた私は、指導教員に書くことを認めてもらうために学会で出待ちをするなどしまして、認めてもらってからも度々上京して何度も見ていただいて。仕事をしながら、また子供も産まれていたので膝に乗せながら論文を書いたこともあったくらいです笑。

授業で心掛けていることはありますか?

講義とゼミで変えています。
講義では先ほど言ったように、難しいことをわかりやすく説明すること、また事前準備を入念にすることを大切にしています。今年の春休みの間にはスライドを400枚くらい作りこみました。準備こそが肝心で、逆に本番は予定通りいかないことが常。なのでアクシデントも楽しもうと思って臨んでいます!
ゼミの時は、「目の前の学生と向き合う」ということを大事にしています。卒業式の時にみんなで笑って集合写真を撮るというのが一番の目標ですね。

庵谷ゼミについて何か特徴などはありますか?

主に経営学と会計学を学ぶゼミですが、キャッチフレーズは「ディフェンス力」!
一般的に、ゼミではプレゼンテーションなど伝える力(オフェンス力)を重要視しますが、庵谷ゼミではそれだけでなく、プレゼンが終わった後に質疑応答の時間を設け、オフェンス力とディフェンス力の双方を鍛えます。ディフェンス力を鍛えることによって、就活の面接や、社会人になって人と話す時にもしっかりリアクションできるようになります。

最後にプライベートなことですが、休日の過ごし方を教えてください!

1つは料理です。得意料理が生姜焼きで、子供からは「パパはいつも生姜焼き!」と言われています笑。手作りピザも子供に人気です。
2つ目は、子供と一緒に推し活することです。息子がヤクルトファンなので一緒に観戦したり、ときには球場に足を運んで応援しています!

ありがとうございました!

取材後記

今回初めて記事を執筆させていただいた田中です。初回ということもあり、私が所属するゼミの担当教員である庵谷先生にインタビューに協力していただきました。専門内容だけでなく、庵谷先生の経験やプライベートなことなどとても興味深かったです。本来とても難しい研究内容についても、わかりやすく説明していただけました。これからもいい記事を書けるよう頑張っていきますので、ご一読いただけると嬉しい限りです。

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