経済学部 武田ゼミ3年の和田です。
2022年12月10日(土)、中央大学多摩キャンパスにて、横浜国立大学の伊集ゼミ/立教大学の関口ゼミとの第16回となる交流討論会を行いました。ここでは、その内容をレポートします。
初となる、他大学のゼミに対してのプレゼン
武田ゼミでは毎年、3年生を中心に横浜国立大学、立教大学と論文を用いて討論会を行っています。昨年度は横浜国立大学において、対面とオンラインのハイブリッドでの実施となりましたが、今回はここ中央大学の多摩キャンパスで、3年ぶりに全て対面で行われました。
2022年度の討論会のテーマは、「少子高齢化社会による社会保障給付費の増加への対応策」であり、午前中から各ゼミが「少子高齢化による社会保障給付費の増加への対応策」について、各々の論文内容のプレゼンテーションを行いました。対面で他大学の学生に向けてプレゼンテーションを行うのは初めての経験であり、緊張感を覚えました。
午後は、事前のアプローチ会議で絞った論点について、2校ずつ1つの論点に対して1時間半程度の討論を行いました。主な論点は、「少子高齢化による社会保障給付費の増加に対してどの対応策が効果的か」と「対応策への様々な反発に関してどのように対応していくか」でした。鋭い視点の質問が飛び交うなど、議論が白熱する場面も多数みられました。
”討論会”であることを念頭に、その場で頭を沢山回転させながら質問のラリーを繋げることを意識して臨みました。
私たちの主張。世代間格差を是正する観点から、年金を分析
私たちは、2019年度の財政検証を参照して、現在の年金財政の状況を説明しました。
少子高齢化に伴い、公的年金の給付額を、自動で調整するマクロ経済スライドという仕組みがあります。しかし、マクロ経済スライドには名目下限措置という特例が設けられており、物価や賃金上昇が小さい近年ではマクロ経済スライドが完全には発動されていません。それにより、将来世代の給付水準が下がってしまうことを問題としました。私たちは名目下限措置の廃止を提案し、その効果を説明しました。
しかし、名目下限措置を廃止すると、将来世代の給付水準を確保することはできるものの、年金を減額されてしまう現在世代の高齢者への配慮が不十分でした。また、今回出てきた意見では、現在の受給世代の給付水準が低下してしまうことで、生活保護受給者が増加してしまうのではないかというものもあり、年金給付水準低下に付随して起こる他の問題を考慮した上で解決策を提案する必要があると感じました。
討論することで「さまざまな視点」が見えた
「少子高齢化による社会保障給付費の増加への対応策」という大枠のテーマは同じであっても、他大学の学生の論理や質問は予想外の角度のものもあり、重視している部分が異なれば問題へのアプローチも変わるということを改めて感じるとともに、さまざまな視点でこの問題を考える機会となりました。
今回の経験を今後のゼミ活動でも活かしていきたいと思います。