今回は和田光平先生の取材をさせていただきました。経済学部では、「人口分析」の授業をご担当。
中央大学出身でもある和田先生の学生時代や、人気の和田ゼミのお話など、幅広くお話していただきました。
—ご専門の学問について教えてください。
私は人口学を専門としています。授業では、人口と経済の関わり、少子高齢化になったら経済や労働力がどうなるとか。そういった実態的なものや、出生率の数字の意味や、平均寿命の計算の仕方や、人口の推計や予測を学んでもらいます。
日本で初めて人口論という講座ができたのは、中央大学経済学部なんですよ。「人口学の父」と呼ばれている南亮三郎が教えられていました。私はその南先生の孫弟子なんです。
人口学を勉強しようと思っても、どの学部で勉強するかが難しいんですよ。いろんな学部が人口学に絡めた授業をやっていて、「この学部に行けばOK」っていうのが外から見えづらい。そんな事情でなかなか研究者が育たない中で、中央大学経済学部では伝統的に講座があるんです。
―学生時代~人口論の分野に入るまで―
私は元は商学部会計学科の出身なんです。公認会計士目指そうとして勉強してたんだけど、なんか自分には面白くなくて(笑)。その会計士になるために必要な科目の中に「経済学」とか「経営学」っていうものがあって、それがすごく面白くなっちゃって。
当時のゼミの先生が、理論経済学の有賀裕二先生(商学部)で、そのゼミに入ったらすごく面白くて、経済学で仕事がしたいと思うようになりました。そして、有賀先生に相談して、商学部から経済学の研究科に移りました。
それから、大学院でマスターからドクターに入るために、英語とフランス語を勉強しなきゃいけなかったんですね。で、フランス語を勉強するために、フランス語を使っている授業だった人口論の授業を取ったわけです。
その時点では人口論なんて興味ありませんでした。今でこそ、少子高齢化とか深刻な問題になってるけれど、当時は華々しさが無かったんですよ。
そして、まさにこの部屋(現在の和田先生の研究室)で、その人口論の岡田先生(経済学部)に助手試験を受けるように勧められて受けたら、学部・大学院の生え抜きとしては、松丸先生(経済学部)以来15年ぶりに合格することができました(笑)
―和田ゼミについて教えてください。
和田ゼミはマーケティングを学ぶゼミですが、半分は人口学を学びます。
例えば、コンビニをつくるときには、どういう人が住んでて、どういう家族構成だとかいう、市場を細分化します。そういった視点を含めてマーケティングに生かす。少子高齢化や、おひとりさまなど、性別とか年齢の変化を考えてビジネスモデルを考えていく、というのをやっています。
そういうことに興味のある学生が所属していて、熱心な人が多いです。研究をまとめるにあたって誰かの家で泊まり込みでやったっていうのもよく聞きますよ。
―学生が作り上げた「和田ゼミ」-
昔は、本当にエンジョイというか、遊びゼミで人を集めていたんですよ(笑)。最初は人が集まんなくて、ディズニー(ランド)行ったり、遊んでばっかりでした(笑)。
でも遊び過ぎても飽きてきちゃうんですよね。で、当時のゼミ生が、「マーケティングとかビジネスとかやりますか」と言い出して、プレゼンテーション大会のマーケティング部門に出場することになった。
八王子ラーメンのカップラーメンが商品化されるから、それをどうやって売るかという研究で出場すると、優勝しちゃったんですよ(笑)。
その後、野島ビジネスアワード(現「中央大学野島記念BusinessContest」)にも生徒が自主的に参加するようになりました。私よりも学生が熱心で、夏休みも返上で頑張るようになり、今のようなゼミになりました。
―学生のうちに様々な経験を―
「自分のポテンシャルを信じて栄光の未来を」っていうのがうちのゼミのスローガンなんです。スポーツとか芸術とかって持って生まれた才能とかあるかもしれないけど、頭に関してはみんな平等なんだよね。
中央大学経済学部の学生さんって、実は光る原石を持ってる人がたくさんいるんですよ。自分の可能性にもっと自信を持ったほうがいいと思います。
テストでの頭の良さと、社会での頭の良さっていのは違います。学生のうちに、価値観を揺さぶられるような経験を色々して、オリジナルな意見を言えるような人になれるといいですね。
そして、問題があったときにオリジナルなアイデアで解決するトレーニングをするといい。それは、経済学で出来るかもしれないし、インターン、サークル活動、アルバイトなどでも。問題が起きたときに積極的に関わっていく事が大切だと思います。
取材後記
経験豊富な和田先生のお話は、人口論を勉強していない私にとっても、興味を引くようなポイントがあり、授業を受けてみたくなるものでした。
そんな和田先生からご指導いただけることに加え、学生自身が考えて行動できる「学びの場」である和田ゼミは、とても素晴らしいゼミであると感じました。
また、和田先生の言葉は大学生活も残り9ヶ月となった私にとって刺さるものがありました。改めて能動的に日々精進したいと思います。 (写真右|学生記者:鈴木)