4年ぶり開催のフェアトレードフェア。学生団体FACTの活動レポート

イベント・活動

2023年5月29日(月)から6月2日(金)までの5日間、中央大学の生協とFACT(Fair Trade Chuo University Team:中央大学フェアトレード委員会)が共同で「フェアトレードフェア」を開催しました。食品類と雑貨類、計100点を超えるフェアトレード商品を用意し、そのほとんどを買っていただくことができました。

FACTとは

FACTは、FLP※1国際協力プログラムの林光洋(経済学部教授)ゼミによって2007年度に設立され、2008年度からはFLP国際協力プログラムの学生団体として活動しています。フェアトレードに関する知識を深め、フェアトレードをより多くの人に知ってもらうことを目的にしています。フェアトレードとは、簡単に言うと、途上国の立場の弱い生産者を支援する取り引きや仕組みのことです。

日本では、途上国で生産された食料品や日用品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。一方、生産国では、その安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、品質や生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。そのような途上国の生産者から、適正な価格で、継続的に、農作物・衣類・手工芸品等を購入する取り引きをフェアトレードといいます。

フェアトレードは自然環境や途上国における生産者の労働環境を考えるうえで重要な取り組みですが、日本では認知度は低く、その商品を扱う店舗も欧州と比べて少ないです。そこでFACTは例年、中央大学生協に協力いただき、春と秋の年2回、フェアトレードフェアを開催しています。新型コロナウイルス感染症により、2019年の秋を最後に開催できていなかったため、今回は4年ぶりとなりました。

※1 FLP(ファカルティリンケージ・プログラム)
幅広い学問領域をもつ総合大学のメリットを生かし、学部を横断して実践的な課題に取り組む制度です。5つのプログラムがあり、少人数制のゼミ形式で学際的な視点を養います。

4年ぶりの生協フェアトレードフェア

久々の開催であったため、当初は、売れるのだろうかという不安もありましたが、実施してみるととても反響が大きく、食品は完売、また雑貨も3点のみを残してほぼ完売することができました。今回仕入れたものは、クッキーや紅茶、コーヒー、カレーの調味料などの食品90点と、バックやクマのぬいぐるみ、ペンケースなどの雑貨21点、計111点でした。

FACTは過去と同様、販売する商品や仕入れ数を決定する最初の段階から担当しました。4年ぶりでしたので、フェアを経験した先輩たちから直接引き継ぎを受けることができず、データとして残っていた歴代の売上表や納品リストを参考にして、過去売れ行きのよかったものをピックアップして販売商品を選びました。個数については生協さんからのアドバイスをもとに、同じクッキーでもフレーバーごとに個数を変えるなどして購買意欲をそそるように考えました。

販売商品それぞれの、原産地/原産国、商品の説明、生産者の声、レシピといった情報も1つずつ丁寧に調べ、FACTメンバー内で販売商品の特徴について学ぶ勉強会や、販売商品の試食会を行いました。またあらためてフェアトレードに関する知識やフェアを開催する目的について再確認するなどして臨みました。

事前準備やさまざまな工夫

今回は、ブースの装飾にも力を入れています。
フェアトレード商品は、生産者に正当な賃金や対価が支払われる分、他の商品と比べて価格が高くなります。そこで、品質がよいことや、どこでどのように作られたのか等を丁寧に説明したかわいいポップやチラシをたくさん作成し、フェアトレード商品は価格相応のものであることが伝わるように工夫しました。机に布をかぶせたり、台を使って商品を見やすいようにしたりと販売場所の装飾もいちから考え、興味を持たない人たちの目も引けるように工夫しました。

「FACTのこえ」としてFACTメンバー1人1人がおすすめする商品やフェアトレードを啓発する言葉をメッセージカードに書いて販売場所に展示しました。授業等もあり、FACTメンバーが常時販売スタッフとして立てないので、不在の間でも私たちの思いを伝えることができるように、と考えたものです。

事前の広報にあたっては、中央大学多摩キャンパスの各学部やFLP、国際センターの事務室に依頼し、開催案内のポスターを掲示板や大学WEBサイトにも掲載していただきました。そのため、学生だけでなく、多くの教職員の方々にも宣伝することができました。

この秋にも開催予定です

フェアトレード商品は、通常の商品に比べて高価で手に取りづらいという印象がありますが、価格相当の品質であることや生産者の暮らしを助けているということを丁寧に説明したり、商品の置き方、ポップやチラシを工夫したりすることで、多くの人にフェアトレードを知ってもらえたのではないかと思います。

私たちFACTのメンバーは、今回のフェアで多くの皆さんに立ち寄っていただき、大きなやりがいを得ることができました。また、販売側に回ることで、フェアトレードの仕組みや優れた点を実践的に学ぶことができ、とてもよい経験となりました。
一方で、お客さんとの会話から、フェアトレードに関する知識が必ずしも十分ではなく、不足している部分があることに気づき、私たちFACTメンバー自身もさらに知識を身につけていく必要があることを感じました。開催にいたるまでに協力してくださった多くの方々に心より感謝いたします。

秋にも生協フェアトレードフェアを開催する予定です。チョコレートのように春のフェアにはない商品も販売しますのでぜひ楽しみに待っていただけたらうれしいです。

(文/FACT代表)


関連リンク

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