釜山教育大学との4年ぶりの現地交流!(武田ゼミ17期 韓国でのGFS活動報告)

ゼミ活動

アニョハセヨ~。経済学部 武田ゼミ17期の小野です。

経済学部の、ゼミと連動したグローバル教育「グローカル・フィールド・スタディーズ(GFS)」。武田ゼミでは、3年生のプレゼン大会および立教大学・横浜国立大学との討論会と並び、2年生でのGFSが大きなイベントとなっています。

2023年9月8日(金)~14日(木)にかけて韓国へ渡り、武田ゼミ2年生と韓国の釜山(プサン)教育大学の学生とでGFSによる国際交流と、実態調査を行いました。プレゼンの作成過程から韓国の学生との交流の様子と、実際に韓国へ渡って感じたことをお伝えします。

グローカル・フィールド・スタディーズ(GFS)とは
ゼミによる国内および海外における実態調査・研修活動をさらに充実・発展させるためのプログラム。世界で起こっている様々な経済問題を解決するために、現場で考え、現場で行動することができる人材が求められている中、経済学部の多くのゼミが、活動の一環として国内・海外問わず実地調査に赴き、研究活動を行っています。

始まりは「とんかつ」だった 

この度交流を行った釜山教育大学の学生とのつながりは、釜山教育大学で教鞭を執る金先生と、武田先生のご縁にあります。実は金先生は中央大学経済学部のご出身で、武田先生の後輩、つまり先輩と後輩という間柄なのです。
数年前に金先生が来日され、東京駅のとんかつ屋さんで発せられた「学生交流をしましょう」という言葉が我々の運命を変えたわけです。コロナによる行動制限の状況下でもオンラインで交流は続き、今年はついに、2019年以来の現地での交流が可能となりました。とんかつから始まったご縁について、まずは渡韓までの日々をご紹介します。

嵐の前の嵐

遡ること渡韓の約5か月前、私たちがゼミの一員として活動を始めた4月、すぐにGFSの班編成並びにテーマを決めました。決して一筋縄ではいかない、まさに嵐のような目まぐるしい日々だったと言えるでしょう。
6月に1回目、7月に2回目の中間報告の場を設けて頂き、先輩方と先生からの指摘・質問を頂いては修正、頂いては修正を繰り返し、その過程で武田ゼミの基礎を叩き込まれました。また、8月下旬に行われた夏合宿では3年生の先輩方によるプレゼン大会用の中間発表も見せて頂きました。スライドに顕著に表れる一年の差に圧倒されるとともに、私たちは来年同じような姿になれるのかという不安を抱えた仲間もいたようでしたが、その不安を原動力に変えて渡韓への意気込みをより強固なものにできたのではないでしょうか。

ゼミ合宿の様子

後から聞いた話ですが、先輩方の方針は「転んで強くなる」。つまり、ひとまず挑戦し、失敗をすることで力はついていくものだという考えだったそうです。しかし、その理論は転んだ我々を支えてくださる方々の存在あってのものですので、ゼミという組織の強み・ありがたみを感じる準備期間でした。GFS幹部による航空券・ホテル手配などもつつがなく完了し(幹部のみんなありがとう!)、いよいよ来る異邦での日々に心躍らせていた我々でしたが、ここでも嵐の前の静けさ…とはいきませんでした。

緊張の英語とわんこサムギョプサル

9月8日、成田空港は台風13号の影響をもろに受け大雨、空港にたどり着けるのかさえ怪しい状況でしたが、しかし風はないということでなんとか離陸。離陸直後、雲を抜けるまでは揺れに揺れ(筆者注:初飛行機・初海外だった私には恐怖でしかなく、その晩は悪夢に見舞われました)、嵐の前の嵐となってしまったわけですが、無事、晴天の釜山に降り立った我々をホテルで迎えてくださったのは、釜山教育大学側の連絡役学生の方3名と、金先生でした。

韓国最初の食事は、名物サムギョプサル(豚バラの焼肉)を頂きました。早速現地の学生の方々と英語でお話しする機会に恵まれ、自己紹介や今後の予定などを共有。ほとんどのゼミ生は初めての「生」英語でしたのでやや緊張の面持ちでしたが、伝えようとすれば案外伝わるという学びを得られたのではないでしょうか。しかし驚いたのは皆さん肉を焼く手際のよいことよいこと!鍋奉行ならぬ焼肉奉行にお礼を言いつつ、わんこそばならぬわんこサムギョプサル状態の我々でした。

翌日、メインイベントである交流会が行われ、我々は学校班(制服について)・文化班(温泉について)・経済班(観光産業について)の3班からそれぞれ英語でプレゼンを行い、また質問にもお答えしました。終始和やかな雰囲気で、我々の問いかけに積極的に反応され、頷きながら発表を聞いて下さり、本来プレゼンとはこのような双方向なコミュニケーションの場ではないのか、という気付きを得ることができました。
その後は班ごとに分かれ、キャンパスツアーをして頂いたのち夕食へと移り、前日とは違う種類のサムギョプサルを、ここでもわんこ状態で頂きました。現地の学生交流はこの日で終了しましたが、国境を越えた関わり合いを、対面で出来たことは一生の思い出となるはずです。改めて、金先生と釜山教育大学の学生のみなさん、ありがとうございました!

歴史の語り手とデジ・カルビ

その後は、実態調査の一環として、釜山で朝鮮通信使歴史館、4日目よりソウルで歴史博物館、西大門刑務所歴史館、安重根義士記念館、国立民俗博物館などを訪問しました。特に印象に残っているのは、日本による韓国併合後の植民地時代についての記述です。
植民地支配下における独立運動から戦後、大韓民国として独立するまでの状況がいかなるものであったのか、日本国内ではあまり見られない展示・説明方法が展開され、大変興味深いものでした。歴史というものは、教科書に書いてあることを事実であるとして容易く受け入れてしまいがちですが、それを誰の視点から見るかによって大きく変わるものであるということを再認識できたことは、今後の学修において大いに役立つものであると感じます。

加えて、5日目には韓国の新聞記者として日本を30年近く取材されているチェ・インハン先生による日韓経済の講義をして頂き、短い時間でしたが現地の日本語学校の生徒さん方とも交流ができました。その後はデジ(豚肉)・カルビを夕食に頂き(個人的ベスト韓国料理です)、ソウルという山に囲まれた地理を実際に体験できる先生の散歩コースを辿り、何名かの足が棒になりながら、中心街の素晴らしい夜景を見ることができました。

蛙、海を越えて

美味しいごはん(しかしどこにでもキムチがいた)、過ごしやすい気候(湿度が低く快適でした!)、温かい人々の生活の様子から歴史との付き合い方や両国間の関係、はたまた「国とは何か」というような哲学的な問いにまで思いを馳せることができた日々でした。これは実際現地に赴いてこそできる行為であることを謙虚に自覚し、またそれが当たり前でないことを痛感している我々だからこそ、今回の研修の持つ意味はコロナ禍以前より大きなものではないでしょうか。海外渡航が可能となった今日の状況、諸先生方、手続きをしてくださった方のご協力に、この場をお借りして感謝の意を表させていただきます。

そして何より、海外交流は楽しい!という一言に尽きると思います。海に囲まれている島に生きる我々です。つい井戸の中の世界に支配されがちですが、いつまでも大海を知らず、というわけには参りません。世界的に国境を越えた交流が盛んな今日、刺激的な七日間を学生時代に体験できたということは、これからのゼミ活動やアルバイトなどあらゆる場面で大きな自信と教訓をもたらすことでしょう。両校の末永い交流が続くことを祈って、カムサハムニダ~。

ソウル駅
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