友との出会いが人生を変えた!挫折を乗り越え公認会計士試験に合格した人。

学生と卒業生

今回は国際経済学科の在学生である黒川達生さんにお話を伺いました。
黒川さんは昨年(2020年)に公認会計士試験に合格!しかしその道のりは順調だったわけでなく、中央大学へ入学する前の浪人生時代、公認会計士試験に二度の不合格といった挫折を経験してきました。 

今回は、その当時の苦労やどう乗り越えたか、また経済学への思いなどをお話していただきました。 

大学受験失敗を経て、強くした思い

―大学に入るまでにはどのような経緯がありましたか。 

僕は埼玉の高校出身なんですけど、周りには東大に合格する人もいるような学校で、そんな中で浪人することになったんです。
いくつもの大学から不合格を突きつけられた大学受験の失敗で、自分は無価値なんだと感じてしまいました。一足先に大学に進んでいく友達に対する嫉妬や、ローンを組んで受験勉強をさせてくれた両親への申し訳なさで心が壊れた時期もありました。実際に塾へ行く途中の電車で3回も倒れたことがあります。

ー挫折を経験して変わったことはありますか。

浪人期を通して「客観的な価値を持つ、人から求められる人間になりたい」と強く思うようになりました。そのために客観的に自分をアピールする指標を求めるようになりました。今思えば大したことではないのですが、当時は学歴に少し満足していなかったんだと思います。
それと、大学生活を遊ぶだけで終わらせたくないという思いも抱いていました。 

―実際に中央大学に入学してからは、どのような生活をしていましたか。

楽単(らくたん=楽に単位が取れると学生の中で噂される授業)などを意識せず、自分自身がシラバスを見て面白そうだな、興味がある授業を取っていました。なので普段の授業とか試験勉強とかは苦にならなかったですね。でもビールの売り子のアルバイトや海外旅行など、遊ぶことも大学生の醍醐味だって思って色々なことにチャレンジしました。 

経済学部を選んだ理由と、その魅力

―経済学部を選んだ理由を教えて頂けますか。 

経済学に興味を持ったのは高校3年生の現代社会の授業でした。それまでは理系の選択をしていたのですが、例えばビニール袋の有料化や排出権取引など、市場経済に少し手を加えるだけでみんなが自ずと環境問題に取り組むという経済学の面白さを学びました。
そして社会問題を解決するには個々の技術者の能力だけではなく、社会自体を変える必要性があることが分かり、大学ではそういったことを学びたいと感じました。経済への高い可能性も同時に感じました。 

経済に面白さを感じるまではエンジニアとして、環境問題の解決に携わりたいと考えていましたが、社会のシステムや枠組みという経済の分野からアプローチする点に魅力を感じ、経済学部を目指すようになりました。 

経済学の面白さは中央大学に入学してからの授業でも感じています。特に身の回りの生活ですぐに活かせる経済学の魅力を強く実感しています。
日本経済史という授業では、「たばこのポイ捨てを減らすために、吸い殻で好きなサッカー選手に投票できる投票箱を置いたところ、ポイ捨てが激減した」という事例を学びました。

「日本経済史」担当、武田准教授によるガイダンス動画より

その際に日常生活で起こる小さな問題を、人々を法律で縛るのではなく、人々に行動を自ら変えさせることで解決できる経済学はとても魅力的で、大好きになりました。 

ここ数年で特に耳にするようになった、「行動経済学」ですね

決して平坦ではなかった、公認会計士への道のり

―商学部ではなく経済学部から公認会計士を目指すことは珍しいと思うのですが、きっかけは何かありますか。 

公認会計士がどんな仕事をするのかも分からず、簿記の延長みたいな感覚で、大学時代に取り組んだ成果が欲しい、将来にも役立つことがしたいという気持ちで、1年生の4月に経理研究所中央大学経理研究所に入りました。最初の頃はそこまで真剣じゃなくて、ビールの売り子のアルバイトを掛け持ちしていました。

でも2年生の春に経済学部の授業で、同い年とは思えないほど、尊敬できる人たちに出会いました。彼らはITや海外インターン、モデルなどそれぞれの好きな分野を大人にも負けずに、とことん突き詰めていました。
彼らに出会い僕の意識が大きく変わりました。自分も彼らのように何か胸を張れる好きなことを見つけたいという気持ちになり、2年生の5月から本格的に会計士を目指すようになりました。

―本気で公認会計士を目指すことを決心した後は、順調にいきましたか。

決意してからは、試験に向けて勉強の日々でした。手応えも感じていたので合格できると考えていましたが、12月の一次試験で不合格という結果でした。経理研のクラスの同期はほとんど合格していたので余計に悔しく、大学受験の失敗以来、2度目の挫折となりました。

しかし合格点に1.6%不足したことでの不合格だったという事実が、会計士を目指すことに対してさらに覚悟を決めるきっかけとなりました。 

―会計士の勉強をしていく中で、辛いことはありましたか。

2年生の12月に合格できなかった時は辛かったです。公認会計士は試験に合格してからがスタートであるため、合格できなければ何も残りません。ここまでの努力が無駄になるのではないかと考えてしまいました。
また周囲の会計士以外の分野で挑戦し、活躍している人々を見る中で、会計士以外も面白そうという考えも浮かんでしまい、勉強を続けることが辛い時期もありました。 

―そのような中で、合格までどのようにモチベーションを保ちましたか?

合格に一番欠かせなかったのは、自分の身の周りにいた、それぞれの分野で活躍する友人たちの存在です。
あるとき試験に落ちたショックから、会計士とは別の分野で活躍する一人に「会計士以外の道に行こうかな」とこぼしてしまいました。しかし彼は「会計士として頑張る達生と一緒に働きたい」と言ってくれたのです。

分野は違えど優秀な彼らと肩を並べていくには、自分が好きで得意な、会計や税務で頑張ることが近道だと思いました。彼らと一緒に働きたいという気持ちがとても強く、会計士になる前の試験で止まっている場合ではないと自分を奮い立たせ、それが原動力となって合格まで突き進むことができました。 

またコロナ禍で自分自身と向き合う機会が増えたこと、外出ができなくなり勉強に集中できたことで、会計士試験へのモチベーションを高めることができたことも合格につながったと思います。 

今後やりたいこと、後輩へのメッセージ 

―どのような職業に就きたいですか。 

今は特に絞っていないです。色々なことに挑戦していきたいと考えています。その中でも特に海外で働くことを見据えて、監査法人内での海外駐在などグローバルに働く会計士として、監査やコンサルティングなどで活躍したいとも考えています。

また将来的には社会貢献をしている団体や経営者を税務やファイナンスで支える仕事もしてみたいと考えています。 

―公認会計士を目指す人、後輩たちへのメッセージをお願いします。 

公認会計士試験は数学などの勉強が苦手な人でも、根気強く努力すれば、受かることができる試験だと思います。諦めず最後まで頑張ってほしいです。 
後輩の皆さんは色々な人に会ってみてください。友達との出会いを通して価値観が大きく変わった私のように、皆さんにも貴重な出会いがたくさんあると思います。そしてそれは学生数の多い中大経済学部の最大のメリットの1つだとも思っています。そのために、サークルやゼミナール、経済学部のイベントなどに積極的に参加するのも良いと思います。

何もできないようで、なんでもできる。長いようで短い4年間を充実したものにして欲しいです。 

中央大学経済学部の学生数は、日本大学 経済学部、慶應義塾大学 経済学部、神奈川大学 経済学部に次いで4位の規模です。(国内大学学生定員比較)

行動すればする分、たくさんの出会いがあるはず!

二度の挫折に折れることなく、そのたびに誰よりも努力し、公認会計士試験に合格した黒川さん。経済学や尊敬する友人といった「新しい出会い」によって、人生を変えてきた黒川さんから、積極的に行動することの大切さを学びました。

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