今年で11回目!武田ゼミ・釜山教育大学交流会(GFS韓国研修報告)

ゼミ活動

안녕하세요!こんにちは!

経済学部 武田ゼミ20期の矢島麟太郎です!

経済学部には、ゼミと連携したグローバル教育である「GFS(グローカル・フィールド・スタディーズ)」というプログラムがあります。武田ゼミは、このプログラムを利用して2年次の9月上旬ごろに渡韓。釜山教育大学の学生の方々と交流を行う海外研修を行っています。本年度は、8月28日から9月3日にかけて、このプログラムを実施しました。2016年度にスタートした交流会は、コロナ禍でのオンライン交流会も含めて、11回目となりました。
「当たり前を疑う」、武田先生が掲げたこのGFSのテーマを胸に、常に「なぜか」を考え続けた半年、そして現地での一週間とその学びがこの記事を通して少しでも伝わればと思います。

プレゼン準備

釜山教育大学との交流会は、共通のテーマについて相互に英語でプレゼンを行うというものです。今年は、教育、経済、文化、人口の4つのテーマで、我々は「日本の教育現場の雰囲気や教師の役割」「日本の大学生のアルバイト文化」「韓国と日本のコンビニ文化比較」「日本の高齢化社会の現状と政策分析」と、4班のプレゼン内容を決めました。

私は人口班です。高校生の頃に高齢化社会というテーマでレポートを書いた経験からそこまで難しくないのではと考えていたのですが、大きな間違いでした。高齢化には出生数、平均寿命、社会保障、労働力、若者の負担など、さまざまな問題が関係しています。調べるほどに情報が増え「何を伝えたいのか」が分からなくなっていきました。プレゼンを通して韓国の方々に何を伝えたいのかを改めて話し合うことで、情報を取捨選択していきました。

言語の壁もあります。このプレゼンはすべて英語で行いますが、一つの指針となったのは、「英検三級相当の英語でまずは考える」という武田先生からのアドバイスでした。私たちも釜山教育大学の方々も第一言語が英語ではないということで、無理に難しい単語を使うのではなく、平易な単語を中心にわかりやすくということを、このアドバイスで意識することができたと思います。

中間報告会

武田ゼミは先輩後輩の縦の繋がりが強く、スライドを作るにあたっても、先輩が相談役についてくださいます。私たちが学内で作業を進めているときにも頻繁に声をかけに来てくれました。

韓国での発表までには、中間発表会が3回あり、本番に近い形で先輩たちの前で発表し、フィードバックをいただきます。「このスライドはどういう意図なのか」、「なぜこの言葉を使ったのか」。自分たちでは完璧に仕上げたつもりでも、先輩方からは思いもよらぬ観点からコメントをもらうことも多かったです。自分が先輩になったとき、そうしたコメントができるでしょうか‥。

最後の中間報告会は、8/18から3日間、湯河原でのゼミ合宿で行われました。ゼミの仲間との初めての宿泊行事であり、夜遅くまで報告会への準備をしたことは、絆を深める大切な思い出になりました。

ここで最後にいただいたフィードバックを踏まえて、韓国で発表するプレゼンテーションは完成しました。

私たち人口班の合宿での発表の様子

渡韓

8月28日、大韓航空2130便は数十分の遅れがありましたが、無事成田空港を飛び立ちました。到着した韓国はかなりの悪天候でしたが夜には少し落ち着き、オニャンカルビという店で初めて現地での韓国料理を味わいました。
この夕食会には釜山教育大学の学生も参加し、隣に座った男子学生と野球の話で仲良くなることができました。彼は、日本の選手では中央大学出身の牧秀悟選手が印象に残っていたそうです!

発表本番

翌日、ついに発表本番です。これまで先輩方の前で発表した経験から、いまさら人前に立っても緊張しないと思っていましたが、実際にはとても緊張して発表内容を忘れかけてしまうこともありました。しかし、韓国の学生が発表を聞きながらリアクションをくれて、優しい雰囲気のおかげで緊張が和らぎました。わかりやすく、そして楽しめるようにと工夫したプレゼンは大きなトラブルもなく終了しました。
韓国側のプレゼンも、言葉だけでは想像しにくいものには写真を添えるなど、こちらと同じように工夫が凝らされていて、より韓国に興味を持つことができました。同じように私たちのプレゼンを通して、韓国の方々も日本に興味を持ってくれればと思います。

プレゼンの様子

プレゼンのあとには交流を行いました!班ごとに分かれ、観光名所に連れていっていただきました。我々は釜田市場でカフェを楽しんだあとに、海雲台ビーチへ。
拙い英語ですが、日韓の風習の違いや、お互いに興味のあるそれぞれの文化について話し、交流を深めました。日本語が通じるという「当たり前」が通じない中でのコミュニケーションでは、無理に言葉だけで全てを伝えようとするのではなく、身振りや手振りを駆使しながら通じ合おうとすることが重要なのだと感じました。

ソウルへ移動

まだまだ韓国での研修は続きます。釜山、そして8/31にはソウルへ移動し、この2都市で多くの博物館を巡りました。釜山近現代歴史館、朝鮮通信使歴史館、釜山博物館、大韓民国歴史博物館、韓国銀行貨幣博物館、西大門刑務所博物館、安重根義士記念館など、どの博物館でも日韓の違い、私たちの「当たり前」を覆す発見がありました。

多くの博物館で韓国語の表記と英語の表記が併用されており、次いで日本語が併記されていたのですが、私の感覚では「日本人に伝えたい部分に日本語が用いられている」と感じました。豊臣秀吉の朝鮮侵攻や、韓国併合以降の時期など、日本が密接に関わり、日本の人が知るべきだと考えられている部分だけに日本語が併記されていたと私は感じました。
その内容にも歴史観が表れており、英語では比較的フラットな表現で説明されている一方で、当時の日本のことを「日帝」、1945年に日本から独立を果たしたことを「光復」というような、日本語では用いられない表現がありました。日本側からは想像しがたい韓国での姿がありありと展示されており、「当たり前を疑う」という言葉を強く実感したのはこの博物館での見学でした。

チェ先生・斎藤先生の講演

5日目はもう一つの目玉である、時事日本研究所長のチェ先生と東京新聞ソウル支局長の斎藤さんの講演会でした。
その中で特に驚いたのは、チェ先生による日韓の工業形態の比較でした。現在、世界における日本の名目GDPランキングは段々と低下しています。しかし、チェ先生によれば、日本は全体でのGDPの順位こそ下がっているものの、人口が一億人を超えた国の中での一人当たり平均名目GDPは未だにアメリカに次ぐ2位だということです。これについて、日本では近年、新しい技術を生み出す力が低下している一方で、新技術を生み出すために必要な工業を支える社会の安定が維持されていることが、その背景にあるのではないかとコメントされました。
対して韓国は、Samsung電子を代表とするように、新しい技術の開発や雇用の創出を企業が中心となって担っています。日本と韓国の工業のあり方を比較することで、それぞれの国が持つ特徴や課題の違いに気づくことができるのだと感じました。

斎藤先生の講演では、韓国で過ごして感じたことのお話がとても興味深かったです。例えば、政治的関心が強く多くの若者がデモに参加するというのにはとても驚いたそうです。これには、保守政党が長期間最大勢力を保っている日本に対して、右派と左派が交互に政権を取る韓国という差が、デモ参加の熱意にも表れているとのことでした。

講演会のあとは、時事日本語学院の学生と交流を行いました。この交流会では、昌慶宮を訪れたり、美味しいお肉を食べたり、親交を深めました。私は韓国のeスポーツ文化が大好きなので、ゲーム好きな方が居てとても盛り上がったことが嬉しかったです。

昌慶宮での集合写真
韓国の方が焼いてくれた焼肉、とても美味しかった。

GFSを振り返って

私は最初「当たり前を疑う」というテーマを、日本と韓国の違いを知ることだと思っていました。つまり、日韓の違いを見つけることが、GFSで得られる学びなのだと思っていたのです。しかし、実際にはそれだけではありませんでした。もちろん、韓国へ行ってから、言葉や文化、歴史など、これまで自分が当たり前だと思っていたことを考え直す機会はありました。しかし、GFSのテーマである「当たり前を疑う」学習は、出発する前から始まっているのだということを、プレゼンテーションの作成過程で感じました。

「当たり前」の違いというのは、日本と韓国の間だけに存在するのではありません。同じ日本人、同じ大学生、同じゼミ生であっても、「当たり前」は必ずしも同じではありません。そして「当たり前を疑う」ということは、相手の「当たり前」を否定することではないのだと思います。自分とは違う考え方に出会ったときに、「それはおかしい」と決めつけるのではなく、「なぜそう考えるのだろう」と一度立ち止まってみる。そのためには、まず相手の話を聞かなければなりません。それを私は、身をもって経験することができました。

今回得たものは、韓国についての知識だけではありません。自分と違う考えを持つ人と協力すること。分からないことから逃げずに、まず相手を理解しようとすること。そして、自分の「当たり前」を一度疑ってみること。これから大学生活を続けていく中でも、きっと自分とは違う考え方に出会うことがあると思います。そのときに、すぐに否定するのではなく、「なぜだろう」と考えることを忘れないようにしたいと思います。

韓国に別れを告げる

最後になりましたが、今回のGFSに関わってくださった釜山教育大学の先生方、学生の皆さん、研修を支えてくださった方々、そして多くのご指導をいただいた武田先生、先輩方、準備を進めてくれた幹部、そして一緒に半年間頑張ってきた武田ゼミ20期のみんなに、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。

本当にありがとうございました。

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